動く生活・かぱぴぷログ

人は時間がある限り、生から死へ動き続けてます。そのさ中に考えたことです。

60オッさんのタイ〜ラオス 1人旅 その18

で、ハァハァと窓口で、
使われなかった昨日のキップを見せ、
一応、払い戻しはないか尋ねるが、やはりダメ。
では、同じ列車のキップはないかと、必死に聞く。
係りの男『ありません』パソコン画面を示し、
ニンマリ『ねっ!』

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チケット窓口

(私のキップはロアー(lower、寝台の下)だったので、ロアーしか調べていない気がしており、その結果がNOで、この時点でロアーでなくてもいいから、アッパー(up、寝台の上)でもと頭が回らなかったのが残念に思う。しかし、今を振り返れば、どのように喋ったのか解らないが、なんやかんやとスムーズに運んで行ったことは大したもんで、苦にもならなかったなぁーと不思議に思う)

もし、アッパーが有れば、もう少し安く買え、その列車で行けたのだが、
と今更言っても仕方ない。
では、今から何かあるの?
20:30発のスペシャル特急981THB(3300円)、
ロアー(なぜ、アッパーにしなかったんだろうと今でも思う、安いんだよ)ならある。『高い!』
でも、風邪気味、しかも、明日、宿も取ってある。
『OK!』購入。
今度は大丈夫だろうと、見ながらホームに向かう。
『???woman!!!???』と印字。
『あーぁ、また、何か言われるかも、もうしゃあない。そん時は、そん時や。もう、しんどいんや、疲れてんや』
と、キップを手に今度は、4番のプラットホームのベンチへ重い足取りで向かう。
『あぁ、疲れた。ホンマやで』
でも、とにかく、キップは確保、20:30発。
今は18:10、乗っていただろう隣の、ホームの、出発前の列車を見ながら、
これから2時間以上待ちかと力尽きるも、
宿の予約が気になり、スマホのメールを確認、
『大丈夫だ、フー・・・』

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日も暮れ始め、ディーゼルの唸り音だけが鈍く頭に響く。
線路と線路の間を時折、駆けて行ったり、
トボトボと歩いて行ったりする鉄道関係者の動きをぼんやり眺め、
『何してんのかなぁ』と呟く。

そして、日が落ち、入線するヘッドライトの光芒をまだか、まだかと待つ。
来た!!!
『おぉ!ええ感じの、スペシャルやん!!』
プラットホームの灯りに、キラキラ反射するシルバーメタリックのボディー。
ここはタイだ!タイにも豪華寝台列車
少し、鼓動が高鳴る。
廻りのことなど、お構いなしに、昇降ボタンを押す。
(長く、待っていた時に、そんな行為をしていた車両清掃担当者がいたなぁと思って押す)

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スペシャル特急981THB(981THB)

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ササッーと乗り込み、自分のスペースを作り、落ち着く。
『あー、もう動きたくない』
清掃係りの人が何度か私の前を通っていくが、特に何も言わない。
『いいんだ、いいんだ、これで』

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しばらくすると、係りの若き男性が、順番に、手早く座席を寝台態勢にセッテイングしているではないか。
私も、お願いして、その素早い動きに見とれてしまう。
そして、寝床を作り、窓側のカーテンを閉め、一人の世界に入っていこうとした時、
キップチェックに係りの人がやって来る。
『・・・women!?』
ジーッと眺めている係りの人、返してくれる。
フー、難なくOK。
キラリ、光る目!
「!?」
「ビアー!ノーノー!ハハー」
「・・OK・・・」
チラリと見えていた缶のビアーデザインを逃さず、飲むなと宣告される。
さすが!タイでは列車の飲酒はダメなんです。
それでも、飲もうと思っていたが、風邪気味なんで大事をとってやめる。

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・・・やはり、なかなか、寝付けない。
が、ぼんやりしたまま、寝たのか、寝てないのか・・・、

いつの間にか、仄かな明かりが窓から差し込み、
もぞもぞと起き、洗面所に行き、歯を磨き、用をたし、丁度、やって来た若き乗務員の人に、寝床を片付けて貰う。
手際の良い寝台セッティングの事を『Good!』と褒めたくなって、言うとニヤッと笑い去って行った。

隣の空になった寝台席を目にして、私は、窓外を眺める。
昨日、乗って居た隣の女性は、もうすでに居ない。
もちろん、何処かで下りたんだろうけど、なんだか寂しい気がした。

朝の光が動き出したような感じがした時、
若い乗務員がニカーッと『次、終点だよ!』と着く事を知らせにやって来た。
ワザワザなのか、当たり前なのか、知らないけれど『サンキュー!』と返答。
少々、僕は元気になっている。

いい印象。今、午前5時45分である。