動く生活・かぱぴぷログ

人は時間がある限り、生から死へ動き続けてます。そのさ中に考えたことです。

60オッさんのタイ〜ラオス 1人旅 その49

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ひと息ついた60のオッさん、私は、やっと口を開く。
「体力あって、強いんやな」
「そう、けっこう歩いたりもするし、それに好きだし。こう見えてもパワーあるんだ」
私はパクセーでのことを思い出し、
「そうやな、大したもんや。アンタみたいにドンドン歩く女の子、初めてちゃうかな。
今までは、そやな、苦手な人ばっかりみたいやったな」
「女の子がよく話す普通の会話、ドラマがどうの。美味しいお店があるの。流行りのファッションは?昨日、アレ、面白かったね。・・・などなど。そういうの、私、興味ないっていうか、嫌いなの。仕方ないけど、皆んな、そんな日常の繰り返しじゃない。私、何も持ってないけど、そんなの嫌だから、こんな風に長期の旅に出て、新しいことを体験したいんだ」
「そうなんや。それで、仕事は・・・?」
AYさんは、照れながら、
「流行りっちゃ流行りだけど、デザインなど書いたり作ったりするのが好きなので・・」
ネイリストで頑張っている彼女だが、悩みもある。
お客さんとの話題作りは少々苦手。
仕事中は黙っててはイケない、飽きさせない話術もサービスの一つ。
また、ある時、見本の写真と全く同じ様に施してくれとのオーダー。
しかし、違うって言われ、どうしようもなく、先輩から謝ってもらい、ネイル落として、
帰ってもらったという。
「これって手作業だし、どこかは違うよね。まったく一緒だなんて・・・無理だわ」
と振り返る。
そんなこともあって、この仕事のことも少し戸惑っている。

仕事に対して自分を肯定させる意味がないと苦しい。
ただ、お金のため、生活のためだけに、唯一の楽しみである休みの日の、自由になる時間のためだけに、好きでもない仕事をするのは辛くて、何か目的を見出さないとしんどい、贅沢を言っている様だけど・・・。
話を聞きながら、私も自問しながらそんなことを思い浮かべ、反芻した。

「英語がペラペラで、こんな旅の体験をたくさん積んでるし。今も、私とここに居るっていうことは、え〜、例えば、どうかな、国境なき医師団人道支援のスタッフとかさ、そんな目的意識ある、しかも、日本じゃなくて外国で働ける仕事なんかイイんと違うかな」
「うん、いいなぁ。でも・・・」

いろんな悩みを抱え、旅して、何かを掴み取ろうとしている。
でも、若いから、まだまだ、これからじゃない。いいな〜。
60のオッさんには、羨ましく見える。すみません。

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この場所で・・・

この変哲のないこの場所で、
このタイミングで深い話に入りこんで、
陽が傾きかけた頃、彼女から、
「今晩、最後の夜だから。わたし、ご馳走してあげる」
「えっ!?(嬉しいなぁ)・・・そう、いいのに」
「いいの。明日、出るんでしょ。私は、もう1日。泳ごかなぁと思って・・・」
「そうか・・・」
ウボンまでのバスのチケット買った、昨日の時点で、いつの間にか”ルアンパパンへ行く”は蚊帳の外になってしまったなぁ。

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再び、先ほど走った凸凹の畑道をエッチラコッチラ漕ぎ、シャワーを浴びに宿へ帰る。