動く生活・かぱぴぷログ

人は時間がある限り、生から死へ動き続けてます。そのさ中に考えたことです。

60オッさんのタイ〜ラオス 1人旅 その52

吹きさらしの広場の片隅に小さなチケット受付場所だけがある、
殺風景なバスターミナルである。
そこに群れる私たち観光客。
小さな窓口に、チケットを出し、正規のバスチケットと交換する。
私もチケット(というか紙片みたいなモノ)を出し、
「ウボン!」と渡す。バスチケットと交換してくれた。

その時、隣の長髪の男が、
「Where are you from?」と聞いてきた。
「Japan」
長髪の男は後ろに居るもう一人の若者に、
「Japan」と伝える。
陽に焼けて真っ黒な若者は、
「僕も日本からです。彼は韓国です。で、日本の?」
と私にニコニコ返答!
「京都です」
「僕は北海道です」
「そうなんだ。で、どのくらい居るんですか?」
「3週間目に入りますかねー」
「ほー、凄い」
「一月くらい居るつもりなんです」
「そちらは、どれくらいの旅ですか?」
「2週間の予定です」
「ドンデッドいたんですね!」
「ええ、そう、2泊です」
「今から、どちらへ?」
「ウボンです。そちらは?」
「パクセーです」
「そうですか。私はパクセーから来たんで、次はウボンに行きます」
「僕はルアンパパンからドンデッドに来て、今からパクセーへ」
「そうですか。ルアンパパン、良い所らしいですね」

と、私の前に現れた北海道の若者と会話を楽しんでいるところへ、
まとめ役の若い男がやって来て、行き先を確認する。
すかさず、北海道の若者が流暢な英語で対応。
流石である、こうでなくちゃなぁと、関心している私に、まとめ役が聞く。
「ウボン!」
「パクセーはあっち。ウボンはあっち・・・#$%&’#”!」
私は、聞き取れないし、意味解らず、再度、
「ウボン?」
「だから、あそこ・・・#$%&’#”!」
北海道の若者が助け舟。
「向こうの集まっている所です、あの止まってる車の所。僕はこっちなので」
と、もう少しお話ししたかったなと思いながらも別れた。
彼は、
「良い旅を!」
と元気な声を掛けてくれた。

この文を書き乍ら、
「そうだよな、あの時、一緒に、彼らと1日ほど同行しても面白かったかもなぁ。それが旅だよなぁ」と思うが、そんな柔軟な頭は持ち合わせていなかった。次の目的地が頭にこびり付いて、そのことにしか目がいかなかった。
残念である。もし、次の機会があるんならば肝に銘じておこう。

集まった外国観光客の所で、人員整理している運転手の横で例のまとめ役の若い男が、
どこかの都市名を怒鳴っているが判らない。
私は「ウボン、ウボン!」この単語だけが頼りで、
夢中に「ウボン、ウボン!」と発するが、煙たがられ、曖昧な返事が返ってくる。
余計に心配だ。
なので、引き続き、必死に「ウボン、ウボン!」と執拗に纏わり付く。
こんな行動をして、やっとの事で、このバスは確かにウボン行きに間違いないと判り、
ハイエースロングタイプに乗車してホッと一息。

この時は、ホント大変だった。移動する為の大切なハイエース1つ乗るにしてもだ。
胡散臭そうな口だけのまとめ役の若い男。
それは、外国映画で見るような、僻地の捌き人みたいで、
人を適当に振り分けしている”それ”みたいで、ホント、不安で、心配だった。
さらに、AY さんとも別れてたった一人である。

しかし、尚且つである。
座った座席も、更に動けない体勢も、窮屈で最悪、息苦しく、しんどかった。
ハイエースロングの中の悶々とした時間。
最後部、左窓側の席で、隣は恰幅のいい西洋人、真後ろは私たちの旅の荷物で溢れている。
手元のキャシュは1000Kipだけ。
『13円か?』トホホである。(いざとなったら手持ちのTHBはあるが、)水も買えない。
「早く、タイへ入りたい!」
悶々としていると、
休憩らしく、車は行きに寄った所に入って行く。定番のコースなんだろうな。
早速、私はトイレへ。
『!?丁度。1000Kip、いるんやなぁ、チップ。よかったよ、持ってて』
馬鹿にはできん、有難や〜。
見張り番の手伝いをしてる幼い子に1000Kipを渡し、立ち並ぶ広いトイレに入って行く。

休憩終了、出発だ!
ここで、何故か、私だけ・・・、
隣に、停まっていた別のミニバス(ハイエース)に乗り換えさせられる。

ここは、何台かのミニバスが停まっていたことから、
中継地点で目的別、乗員整理をする所なのかもしれないのか、
たまたま、仲間がいて、そういう段取りになったのかは、
また、最初からそういう手ハズだったのかは判らない。
だって、ペラペラの紙一枚のチケットだけだもんな。
それとも、スマホでやりとりしてるのかなぁ。
不明であるが、今となれば、気になる。
しかし、その時は、ラオスからタイへの入国、
そのことだけで頭が一杯一杯やったもんな。

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ドンデッドのラオコーヒー「また飲みたいなぁ〜」