60オッさんのタイ〜ラオス 1人旅 その72
『さて、ビールでも』
と、予定の帰路コースから大きく逸れ、寄り道する。
どんどん、進んで行くと、お店や屋台がパラパラ見え出し、
ついには市場のある商店街地域へ入ってきた。
先ほどの落ち着きとは、打って変わって、
タイ独特のあの雑踏感とブチャとした食物の匂い。
そして、大事なことを思い出す、
『11時過ぎてるやん。あかんがな、ビール・・・』
でも、ビールが置いてある小さな店があったので、
聞く。
「ビアー?」
「いいよ」
私は、ニッコリ!
『次は、焼き鳥やなぁ』
と屋台を探し、2本買う。
一応、人目のつかない、寂れた小さな公園で、
焼き鳥をつまみに、ビールを飲み干す。
『ここは日本かい!』と自嘲する。
『ほな、そろそろ・・・』
でも、まだ昼前、ドンムアン空港まで小一時間。
慌てて宿へ行く必要はない!
ビールを飲んで緊張が解けたのか、
再び、明日、帰るのかっていう気持ちが高まり、
ここアユタヤへの魅力が消え伏せていく。
私の気分は、
早めにドンムアンに向かい、そのホテル近辺をウロウロ散策したい、
そんな風に変わっていた。
駅に戻ると、タイミングよく10分後に、
12:40発の各停列車があるではないか。
急いで、切符を買い、荷物を引き取り、
ノスタルジックなホームで列車を待つ。
『さぁ、いよいよ、お別れかな・・・エンディングへと』
ゴットン、ゴットン・・・プシューッと列車が止まる。
混み合った車両に乗り込み、空いてた席に腰を下ろす。
『さてと、宿、ドンムアンのどの辺、だったんかなぁ・・・ああ、ああぁぁぁ〜』
地図も控えてない、ラインにも上げてない、何もしていない、
朧げな位置が頭の中でフワリ、浮かぶだけ。頼りない。
やってしまった。
その、フワリをたどって行くしかない。
『そうだ、住所は?・・・予約確認書がラインにある!』
・・・何とかなるだろう。
まだまだ、使い慣れていないiPhoneやフリーWiFiうんぬん、
私の頭、全く機転は効かない。
(ドンムアン空港なんだから、フリーWi-Fiの店入るなり、
ツーリングガイドなりに聞けばよかったのに!)
・・・仕方がない。