60オッさんのタイ〜ラオス 1人旅 その60
翌日。
颯爽と、Kさんは小ザッパリした服装で登場。
ホテルまで迎えに来てくれて、ソンテウを2回乗り換えて、
ガーデニングスペースのお洒落なレストランに連れて行ってもらった。
「静かな方がいいかなと思いまして」
「凄い!いいところですね」
「何にします?魚、肉、どうしましょうか?」
「私、残念ながら、魚貝系は苦手なので」
「アァ、そうですか、だったら…」
Kさんにメニューを見繕ってもらう。
まずは、シンハービールで乾杯!
隣のテーブルではムッチリミニスカの可愛いハイネケンキャンペーンガールが
お客に自慢のビアーを注いでる。
「どう、ハイネケン頼むと注いでくれるよ」
「でも、ここで、ハイネケンはね」
野菜サラダ、スープと生野菜、もち米の炊いたん、ペリカンのクチバシ、
牡蠣のオムレツと料理が並ぶ。
口に合う物、合わない物、シンハービールとKさんの会話で夕食を楽しむ。
食が進んだのは牡蠣のオムレツとペリカンのクチバシ。
クチバシと言うぐらいだから、嘴をパリパリポキポキと食べるのかと思っていたが、
嘴に付いてる僅かの肉を刮げ取り、チュパチュパと食べるのだ。
本当にほんの少しだ。でも、これがなかなか旨い。
絶品だ!
「でしょ・・・!いけるでしょ!」
「ウン・・・ングング、ホンマに!」
と会話が弾む。
有名ホテル業界のマネージャー業に就き、長期休暇も取れる、
今でも現役バリバリの65歳の実力者、K さん。
そのKさん、私が21歳の時、かつての日本が誇る巨大スーパー、D本社(大阪、豊中市の江坂駅)の関連会社にアルバイトをしていた頃、
なんと、Kさんは、そのダイエーの社員だったと言うではないか!びっくりである。
このタイで!!
Kさんも嬉しそう。
「なんだー、そう!あの江坂、ダイエー。カーッッッ!世の中狭いね」
私、「東京、浜松町のHOC(ダイエーの地域略式名)も行きましたよ」
Kさん、「おー、そう!浜松町。懐かしいね!僕、居たんだよ。そこに!」
話が盛り上がり、グーッと短な人になっていく。
ホロ酔いムードになり、
「で、THB、持ってきたの?」
「ええ」
「行くの?」
「チャンス、逃したくないので」
「あのね・・・」
Kさんが力を入れ、話し始める。
「マッサージはさァ。最初は普通にマッサージ、200THBでさ。
そっち系はさ、スペシャルするって言ってさ・・・幾らかな、プラス200かな。
で、ハンドでね!
次に、ビアバーかな。ビアバーに居る女の子、誘っていいんだよ。そういう積りでいるんだからさ。でも、その時は、OK出たらさ、店に600THB。店、空けるからさ。
で、女の子に1000THB、それで、泊まってるホテルなら、そこでいいから、そこのボーイとか守衛とか居るだろ、彼らに200THB、計1800THB。
別のホテル、行くんなら別だけどね。
次はゴーゴーバー、ここは、トップレスで踊ってる子を選ぶんだ。
で、さっきと一緒ね、ビアバーと。まぁ、ホテル、入って、あとは、アンタ次第だけど・・・でも、間違って、男選んじゃダメよ。そら、綺麗なんだもん、でも、見りゃ判るよ、なんとなくね。えー、あとは、身体洗ってくれるソープかな。いっぱい並んでる舞台から気に入った娘を選んでOK。2000THBプラス女の子にチップ200THBかな?」
と詳細に説明する。
私の頭はTHBと¥の換算でいっぱい・・・!?
で、「ヘー、そうなんや!よっしゃ」
「まぁ、とにかく、一通り見ようか?それで、決めたら」
「ええ」
「でも、本当に行く。で、どこがいい?」
「やっぱ、洗ってもらった方が・・・」
「じゃさぁ、彼女たち日本人見ると攻めてくるからさ、必要な現金だけ。で、財布見せない、カードも見せない!2000THBとチップの200THBを札のまま、ポケットに入れる。もし、心配なら500THBほどを後ろのポケットに入れるとかしないと。判った!」
「ええ」
「じゃ、行こう!」
と、ここでの支払い350THBをKさんに渡し、ソンテウを捕まえ突っ走る。
到着。
その前に、ゴムだ!という事で降りた先のドラッグストアで仕入れ、
まずは、ソープの重々しい観音開きの扉をくぐる。
すると、目の前、カポネ時代ではないかと見間違えるほどのゴージャスな空間。
舞台の前には、客用の丸いホワイトテーブルがずらりと並んでいる。とても、ゆったりと。
その舞台には、カラフルなコスチュームを纏い誘惑のオーラを発する美女がズラリと40名ほどクネクネしている。
その胸の高鳴りに酔いしれてると、客席で控えていた交渉担当の女性がドリンクのオーダーを取りにやって来た。ルールらしく、私はビール、Kさんはコーラを注文。やはり、割高で、50か100THBだったと思う。
あとは、ゆっくりお気に入りを探し、決まればその女性に告げる。
Kさんは楽しそうに、
「どう、行く?いい子いる?」
「ウーン、目移りして・・・あのー、あのバッチの赤と黄色、どう違うの?」
「黄は2500、赤は2000!」と言うと、
スッくと立ち、例の女性にもっと安くならないかと交渉。
さすが、迅速!
多分、仕事もスピーディな判断と対応をするんだろうなと思わせてしまうような身のこなし。しかも、タイ語はペラペラなKさん。
「ダメみたい。2500か2000だって」
「で、Kさんは?」
「いい、僕は待ってるよ」
「そんな・・・」
「いいよ、僕は、今度、アレだからさ」
「アレ?・・・」
「24番、いいんじゃない?」
「24・・・私もいいと思ってたんよ・・・ああ!18もいいね」
行く気満々にエネルギーが満ちてくる。
「僕なら24だね。すぐ!」
「2500でしょ。そこが・・・仕方ないかなぁ」
と、グチグチしているうちに、
「ああ!、行っちゃったよ。決まったみたい」
「・・・!!」
「どうします!ここはここで、おいといて、ほか見てみて、明日、また、来たらどう?」
『私、やっぱりダメな性格だ!』
出鼻を挫かれた感じ・・・。
『そうだな、明日もあるか・・・24が気になるし・・・』
「そうしましょうか」
と、退散し、出て、すぐ右手を行く。
*すみません。ここのシチュエーションの写真、撮る余裕ありませんでした。