60オッさんのタイ〜ラオス 1人旅 その22
広い公園の一つの入場口へ何気に向かい、次の行き先を思案していたら、
中年の快活な男性が声を掛けてきた。
「どこから?」
「日本」
「タイ語は?」
「だめ!」
「エングリッシュ、少し」
「うん・・・見たい所、行きたい所ない?」
「特には・・・」
「うーーん・・・?!」
どこか、いい所に案内したがっているようだ。
「ヘイ、どこかないのか?」
「えーと、ここは、ここかな・・・」
今の位置確認のため、地図を広げ、教えてもらい、聞いているのだが、
話が素直に通じたのか知りようもないが、
「よし、ここだ!」と、バイクを取りに行って、
「乗れ!」
「いいの?」
「OK!」
「メットは?」
「要らん!」
私は言われるまま後ろに跨り、
街中を右に左にブロロロロローォと突っ走る、道筋を記憶に留めようとしながら、
流れるウボンラチャターニーの風景を眺めていると、ある神殿に到着。
「ここですよ、ニッコリ」と自慢げ。
「はぁ!?・・・」
私はお礼にとチップ、20THB札を手に渡そうとするが、
「そういうつもりではない」と断る。
そんな気はしていたが、やはり・・・。
「本当に要らん」と受け取らない。
「判りました、ありがとう」
「バーイ!」
と、颯爽とバイクで去って行った。
このような感情は互いに人種が違ってもわかるんだなぁと。
宮殿には寄らず、
チラッと一見しただけで、
記憶を頼りに地図を見ながら、ぶらぶらと歩き始める。
『ゴメンね、オッちゃん』
プラプラ、ぶらぶら・・・、静かでのどか、そして、寂しくもある。
やっぱり、田舎やなぁ、それなりの賑わいしかなく、それがいい。
『あっ!喉、渇いた。ビールだ、ビール!』とウロウロ。
『あれ、ここ、朝の食堂やん!』と逆方向へヨロヨロ、
『あらー、足がグロッキー気味や』
こういう時には、見つからないセブンイレブン、探すがない。
残念ながらWi-Fiは繋がっていない。
ビール、ビールと余計に欲しくなる。
売っているらしき小さな酒屋みたいな?、お店、見つけ!
だが、「ノー、11時〜17時、売れない!」
「あーー、そうか・・・でも」
完全に忘れていた。
でも、ここはタイの田舎、もしかしたらとプラプラ行く。
2件目、発見。
オリジナルなコンビニにみたい(雑貨屋かな?)な店、ここにはあるぞ!と覗く、
「おおー、ビール、あるある」
しかも、安い、こういう店を求めていたんだ。
内心、ワクワク。
見ていると、タバーンを巻いた髭面のオッちゃんがやって来た。
「ビールOK?」
「OK!」とニッコリ。
いいんや!嬉しい。規制、お構いなしの店もちゃんとあるやん。
500ml、Cheersっていうビールを買う。
「Thank you!」と勢い良く出たが、
「!!」
店に引き返し、写メの許可を得て、
パチリ!
で、朝、寄った公園のベンチに腰掛け、ビールを煽り、マッタリとした時間を過ごす。
『ああ、久し振り、落ち着いた、いい気分。ウボンは正解!いい天気』
見たことのない野鳥がさえずり、リスが樹々で戯れている。
『でも、頭の片隅が質問している。なんで、来たの?・・・』
葉っぱの隙き間からキラキラと陽射しが踊っている。